治療院の安定経営のカギは「継続治療」

「明日、暮らしていけるかどうか分からないスリルがたまらない」

という人は別にして、多くの自営業者は
安定した収入があるといいなと思っているはずです。

治療業も例外ではなく、
【会員システム】
【継続課金】
などの仕組みづくりも、その表れでしょう。

今回の記事では、
できるだけ安定した治療院経営をするために
必要なコトをお伝えします。

治療院の安定経営に必要なもの

好不調の波にのまれない

記事を読んでいただき、ありがとうございます。
一人で集客に悩む治療家やセラピストを、電子書籍づくりで応援している伊東 歩です。

前回の記事:治療院に人が集まる時期はいつ?のなかで、
集客や売り上げの波に右往左往しないコツをお伝えしました。

アトリビューション分析を例に出して、
淡々と行動することが重要だという話でしたね。

治療院やサロンを運営していれば、
からなず好不調の波があります。

でも不調の波が大きすぎると廃業。
ですから、波によって行動を変えず、淡々とその時にやるべきことをやる。

そうすれば、波があっても乗り越えることができます。

新規集客より既存客を大切に

今回の記事でお伝えしたいのは、
治療院経営の安定のために、既存客を大事にしましょうということです。

理由は、コストの問題。

あなたの仕事が、ライバルが少なく
しかも潜在的なニーズが多い業種であれば、
新規顧客だけでもビジネスは回ります。

でも、治療業界はそうじゃないですよね。

鍼灸・柔整・整体・エステ・マッサージなど、
施術系だけではなく
健康食品やグッズ、スポーツクラブや健康教室までが、あなたのライバルとなります。

少ない顧客をみんなで取り合っている状況で、
新規顧客を獲得するにはお金がかかります。

それよりも、今いる顧客に通ってもらう工夫をするほうが
何倍も安上がり。

というか、それが本当に顧客のためになるはずなんです。

顧客を育てるという視点

ちょっと鍼灸院に通ってみて、
あんまり効果が分からないから別の整体院に行ってみる。

こんどは近くの接骨院に新しい機械が入ったから、そっちに通ってみる。
しばらくしてこんどは、テレビでやっていた健康食品に乗り換える。

これじゃあ、改善するわけがない。

『ひとつのことを続けて結果を出す』
という考えが抜けているのです。

そこを教育するのが、あなたの役割。

すごく乱暴に言うと、ひとつの治療院に数か月通えば、
そこそこ変化があるはずなんです。

どんな施術であったとしても。
知識や経験、技術の差はあったにしてもです。

真摯に向き合っていれば、かならず突破口は見つかるはずですから。

大事なのは、そこまで忍耐強く通ってもらうこと。
技術を磨くのも大事ですが、この部分にもっと注力しましょう。

そうすれば、身体も変わるし、経営も安定してきます。

継続治療を途切れさせない方法

初回の説明で決まる

身体の変化が出てくるまで、忍耐強く通ってもらうためには
初回の説明が超重要。ですから、

主導権を握ってください。
あなたが治療の方針を決めて、ペースを決めるのです。

クライアントさんは、めちゃくちゃ敏感。

「この先生は、信頼できるのか?」
「どのくらいの場数を踏んでるんだ?」
「優秀なのか?」
「本当に治せるのか?」
「だまそうとしてないか?」

さらに…

「この先生は奴隷か? それとも主人か?」

を嗅ぎ分けます。要するに、

  • こいつは私の言いなりにできるヤツなのか
  • 従わないといけないヤツなのか

を判断しています。初回に。

中には、施術者を言いなりにして、コントロールできないと満足しない顧客もいます。
そういうひとは、

  • 予約変更
  • ドタキャン
  • クレーム

などで自分の立ち位置を確保しようとするので
やっかいです。

そんな顧客と付き合わないためにも、初回に毅然とした態度で接するのです。
そのとき、

「改善するために」

という一点のみに意識を向けてください。

相手の懐具合や自分の技術を気にしたら、
言葉が濁り、弱腰が見抜かれます。

とにかく

「改善するために」

の一点に意識を傾けて話しましょう。

必ず次回予約をとる

初回の説明で、一定期間通ってもらうことを説明したら、
必ず次回の予約を取ってください。

予約をどのタイミングで取るのかは、いろいろな方法があると思います。

うちの治療院の場合は、

  • 問診時に通うことの重要性を説明
  • 脈診・触診・各種チェックを行ったあとベッドサイドで治療間隔の提示
  • 施術後に予約日程を決める

のパターンだと継続してもらいやすいです。

次回予約の予約をとる

クライアントさんの中には、仕事や生活の関係上
次の予定が立てにくい人もいらっしゃいます。

そんな場合、「仮」でいいので日時を決めます。
予定が変わったら連絡をくださいと伝えて。

けっして

「また、予定がはっきりしたら連絡させてもらいます」

と言わせてはいけません。連絡はきません。

そのときは次回来院する気があっても、
人間は忘れて、飽きて、楽をしたがる生き物だということを
あなたも感じていると思います。

どうしても決められないときは、

「いつだったら予定が分かりますか? そのときに、こちらからお電話しましょうか?」

と、スケジュール表を出しながら聞いてみてください。大抵の人は、

「いえ、こちらから連絡します。〇月〇日くらいになれば、予定が分かりますので」

と言うでしょう。
そうしたら、連絡をもらえる日にちを相手の予定表に書き込んでもらいましょう。

これでも曖昧な態度なら、それ以上は深追い無用。
その人は、通うつもりのない人です。

まとめ

治療院の安定した経営には、
「既存客に継続して通ってもらうこと」
が欠かせません。

それは経営のためだけではなく、通ってもらってしっかり改善するという
顧客の利益のためでもあります。

  • 初回に継続治療の重要性を伝える
  • 次回の予約を必ず取る

この2つだけでもいいので、ためしてみてください。

長く通ってくれている人は、気心が知れているので
本当に治療がやりやすいです。

あなたにも、そんな顧客を増やしてもらいたい。
そう思っています。

【 NEW 】開業して22年の経験を、あとに続く治療家やセラピストの方のヒントとなるように、まとめてみました。

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