通いたくなる施術メニューのつくりかた【ステップ2:仕組み】

会員制は自由度が高い!

ひとことで「会員制」といっても、色々な運営方法があります。

会費の集め方や特典、イベント、プレゼントなど、アイデア次第でいくらでも可能性は広がります。

【 施術料 】というと、ある程度決まった事しかできませんが
【 会費 】と名前を変えるだけで料金や内容の幅が広くなるのです。

メニューの組み方

会員制を取り入れるからといって、治療院やサロンのメニューすべてを会員制にする必要はありません。

私の治療院では、顧客の希望に合わせて併用しています。
そして併用する場合、会員制の導入と同時に施術料の単価を上げることも可能です。

高単価の施術メニューと、お得な会員料金を並べておくことで

  • 会員になることのメリット
  • 高単価への納得(顧客自身の選択によるもの)

が得られます。

初回に会員をすすめるポイント

昨日もお伝えしましたが
初めて来院したときが、いちばん会員になってもらいやすいタイミングです。

重い腰をあげて、身体を預けようかなと気持ちが動いているときを
逃さないようにしましょう。

たとえば当院では、

「とりあえず今の症状が楽になればいいという方は、こちらを(通常の施術メニューを指さして)。定期的に通うことで根本的に改善して、さらに良い状態を維持していきたいという方は、こちらを(会員メニューを指さして)おすすめしています」

という説明を入れます。

そして、顧客の話から拾った「こうなりたい」という希望をふまえて、

「会員として継続していると、〇〇のような変化がありますよ」とイメージを持ってもらいます。

変わりたい人を集めている

私は思うんです。
継続して施術を受けるってことは、自分に愛情を注いでることなんだと。

自分のことをどうでもいいと思っていたら、続けませんからね。
つまり会員には、変わりたいと思って行動できるひとが集まってきます。

そんな人が変わらないわけがない。
というか、実際に通ってくれているひとが変わっていく姿をみて、私が学ばせてもらっています。

特に当院ではセルフケアが会員制の特徴なので、余計に感じるのかもしれません。

ですから、

  • 実際に多くのひとが利用していて
  • みなさんにこんな変化が起こっています

と、初回で伝えてあげてください。もし、会員制を始めて間もないなら、

  • 既存顧客で継続して通ってくれている人の変化
  • すでに会員制の導入している院の実例

を思い浮かべて話すといいでしょう。

入会金と退会

会員制をすすめるとき、必ず聞かれるのがこの2つ。

「入会金はかかりますか?」
「いつでもやめられますか?」

この質問から分かるように、顧客の多くは
「通えなかったら損をする」
ことを心配しています。

この不安を消す方法は、
最初にかけるコストや、導入の仕組みによって変わってきます。

ただ、単に事務的に規則を伝えるのと

「2つの心配事について、私は理解していて、その対策はこうですよ」
という対応をするのでは、相手の印象は全く別物になります。

ですから、少しでも心配が減るような対応をしましょう。

会員制の内容は?

会員制というのは、いわば「枠組み」なので、その枠の中に何を入れるのかは自由です。

単純に、提供するサービスは施術のみとして、支払い方法だけを一般と分ける治療院もあります。
あるいは月額の会費を払うと、期間内は【 通いたい放題 】という会員制もみかけます。

また、一回完結型の施術ではなく、何回かに分けた計画的な施術も
会員制なら提案しやすいでしょう。

ただ、せっかく会員制にするなら、施術だけというのはもったいない気がします。通ってもらえることが分かっているからこそ、できることがあります。

たとえば、今までは施術前に簡単に行っていた測定やチェック。
これを、

「〇〇さんは会員さんなので、来月は定期チェックとなります。2枠分の時間を使いますので、余裕をもってお越しください」

というように、しっかりと時間をとって、手間をかけて、変化を共有する回を定期的につくる。

あるいは施術とは別に、
顧客自身にセルフケアを実際にやってもらって直接指導したり
場所を区切って会員専用のエクササイズスペースを提供したり。

既存 + 既存 = オリジナル

ができるので
ほかの治療院やサロンと価格や内容で比べられなくなります。

どんな特典をつけるか

会員への特典は、特別感を持ってもらえるなら
何でもいいと思います。

というのも、多くの顧客は特典で惹かれることはないから。

  • オプションメニュー〇〇%割引き
  • ウェルカムドリンクサービス
  • 会員専用「今治タオル」使用
  • 個人用施術着の取り置き
  • 施術前後のゆとり時間を確保
  • ポイント10倍
  • 〇〇プレゼント
  • 当日の予約変更が無料

などの特典を、ホームページや会員説明書に載せておいても
ほぼ覚えていません。

とくに通いはじめの顧客にとっては、

何が いくらで どうなれるのか

が重要。
ですから、特典にあまり時間とお金と手間をかけなくても大丈夫です。

会費の支払い方法

会費を集める方法は、

  • 口座引き落とし
  • クレジットカード
  • 収納代行サービス
  • プリペイドカード
  • e-コマースシステム
  • 現金

など色々あります。
この中でも、できれば『継続課金』のできる方法を使いましょう。

継続課金の仕組みを利用しよう

継続課金とは?

継続課金というのは、継続的に利用料金を利用者から徴収する仕組みのこと。
顧客がサービスを利用するたびに支払いが発生する『都度課金』と対比して使われます。

治療院やサロンで継続課金の仕組みを利用する場合、基本的に課金期間は決めません。
顧客からの退会の申し出がないかぎり、永久的・自動的に利用料金を徴収します。

継続課金のメリット

昨日もお伝えしましたが、会員制にして継続課金をはじめると
次のようなメリットがあります。

いちばんのメリットは、「現金を支払う」「カードをきる」といった支払い行動がないこと。
顧客の「お金が減ってしまう」という不安を減らし、継続して通いやすくなります。

また、人は良くも悪くも「一度習慣化したものは変えたくない」という性質を持っています。

初回来院という、気持ちが動きやすいときに手続きを済ませば
あとは「会員として通う」のが習慣化。

そこに、望んだ結果や会員としての特別なケアがあれば
不満を感じることなく通ってくれます。

どうやって継続課金を取り入れるのか

以前は銀行を使った口座振替くらいしか、
わたしたち治療院やサロンが継続課金する方法はありませんでした。

いまは違います。ずいぶんと便利になり、方法が選べるようになりました。

そして今後はさらに選択肢が増えるでしょう。

2018年10月現在、おすすめできるサービスは

  • paypal(ペイパル)
  • Square(スクエア)
  • stores(ストアーズ)

の3つ。
審査が比較的通りやすく、治療院やサロンの会費として月額で設定できるので
使いやすいでしょう。

paypalとSquareは決済代行会社、storesはeコマースサイトの運営会社となります。

当院ではpaypalを使っていますが、
会員さんがしばらく施術に来れないときの「一時停止」や
「返金処理」がパソコン上でできるので重宝しています。

デメリットもある

継続課金のシステムを使うと、手数料がかかります。

  • paypal … 取引金額の3.6%+40円
  • square … 取引金額の3.25% ~  3.95%
  • stores  … 取引金額の5%

たとえば税込み8,000円の施術料だった場合、
260円~400円の決済手数料となります。

この金額を無駄と感じるか、必要な投資と考えるか、あるいは月額会費に上乗せするか
それぞれでしょう。

ただ、昔からこのようなシステムが欲しかった私にとって
この手数料で自動的に課金してくれるというのは
「助かるなぁ」
と感じます。

まとめ

会員制は、あなたのアイデア次第でいくらでも
魅力のあるものに創ることができます。

メニューの組み方、内容、料金、特典、支払い方法など
あなたの治療院やサロンに合わせて考えてみてください。

明日はいよいよ、最終日。
せっかく会員になってもらったらあと、継続して通ってもらうためには何が必要なのか。

『会員離脱の最大の原因』を知ることで、その対策ができます。

明日のメルマガを、楽しみにしていてください。