通いたくなる施術メニューのつくりかた【ステップ1:信頼】

会員制について

メリットの多い会員制

通いたくなる施術メニューをつくるとき、便利なのが会員制の導入です。

治療院やサロンにとってメリットの多い会員制ですから、すでに導入されている先生もいらっしゃるでしょう。

痛みを取るなど問題解決のために払うお金は「仕方がない」という人も、ある程度問題が解決されたあと、より良くなるためにお金を払うことに抵抗感を持っている人は、少なくありません。

うちの治療院でも、数回通って、痛みが取れたら通わなくなるという人の場合、そんな理由が大きいようです。

抵抗なく通ってもらえる

そこで会員制にしておくと、目の前で現金を支払わないので、罪悪感がなくなる。しかも人というのは、習慣化したものを変えるのは面倒くさいので、一度会員になると継続してもらいやすくなる。

もちろん、会員として特別なケアをしないと結局離れていってしまいますが、都度払いに比べると圧倒的に継続率が高くなります。

会員制の使い方はいろいろ

会員制の使い方は、それぞれの治療院やサロンで違います。今までは、単に「割引き料金&自動課金」という使い方がほとんどでしたが、今ではもう一歩踏み込んだ会員制の形も出てきています。

そのひとつが、フィットネスクラブ型。

集客のときにひと工夫する必要があるのですが、「通うのが好き」という人を集めて会員制にすると、売り上げが安定します。

当院でもこの方法を取りいれていますが、顧客層が変わってきて、「あれ、なんだか雰囲気が明るくなったなぁ」と感じます。

イメージでいうと、「病院」「フィットネスクラブ」の違いでしょうか。

病気が治ったらできるだけ通いたくない「病院」のような治療院が、健康や美容のために積極的に通う「フィットネスクラブ」に変わったような変化が起こりました。

実際には見込み客によって、病院型とフィットネスクラブ型をミックスさせると、スムーズに会員制を導入することができます。

会員制でストレスが激減!

私が治療を続けてきて、ずっと抱えていたストレス。それは…

良くならないこと。

でした。
お金をいただいているのに、良くならない。
申し訳ない。

技術も経験も足りない開業当初から、つい最近まで
自分を責めて、悩んでいました。

そして、
「とにかく腕を磨くんだ。そうすれば身体が改善して、喜んでもらえて、通ってもらえて、口コミが起こって、ストレスなく治療院の運営ができる」
と信じて色々なセミナーに参加したのです。

しかしあるとき、「これって治療家の傲慢かも…」と思うようになりました。

自分の腕を上げて、自分のチカラだけで改善してやるんだ!
という傲慢さ。

私は、ゴッドハンドに憧れていたんです。
どんな難しい症状の人でも、一発で治しちゃうゴッドハンドに。

でも、20年近く治療をしてきて、いろんな勉強しても
そうなれなかった。

だったら、自分が凡人だと認めて、凡人治療家なりの方法をみつけないと。

そしてひとつの答えとして、セルフケアを通じて
患者さんに積極的に協力してもらうことを考えたのです。

ちょうどそのとき、会員制の仕組みが広まり始めていたタイミングでもありました。その仕組みと、セルフケア、さらに情報発信を使ってみると、とても相性がいい。

顧客層も変わり、通ってくれる人が増え、改善する人が増えました。

  • なかなか症状が良くならないストレス
  • 経営が安定しないストレス

この両方が減ったことで、開業以来20年以上乗っかっていた心の「おもり」が
今ではずいぶんと軽くなっています。

このように、それぞれの治療院やサロンの方向性によって会員制はいろいろな使い方ができます。

ぜひあなたも、ご自身のビジョンに合わせて取り入れてみてください。

会員制に必要なもの【その1:信頼】

0回目で勝負は決まる

見込み客に会員になってもらうなら、初回来院時が最も確率が高いです。これから新しいことを始めるという変化のタイミングに合わせることで、行動してもらいやすい。逆に、「ちょっと様子をみてから考えます」という顧客を、途中で会員に切り替えるのは、かなりのエネルギーを使うことに。

ですから、会員になってもらうなら初回がベストタイミングです。

このことをお伝えすると、多くの人は初回のトークやツール、施術計画、あるいは施術効果の見せかたなどを考えます。でも実は、すでに来院時には、会員になってもらえるかどうかは決まっています。

顧客は賢くなっている

20年以上治療院を続けていると、患者さんの質が変わってきているのを肌身で感じます。

簡単にいうと、圧倒的に知識が増えました。

テレビや雑誌でたくさんの健康や美容についての情報に触れ、治療院やサロンのホームページやブログなどをスマホを使って調べることができる。

つまり来院する前から、かなりの情報・知識を持っていて、しかも自分なりに「こうしたい」というイメージも持っています。

「私の予算はこのくらいだから、こんな治療院だったら、定期的に通っても良いな」

手に入る情報が増え、施術内容や効果、価格、システムなどの比較検討がしやすくなったので、自然と見込み客のなかでイメージができあがってくるんですね。

ですから今では
初回の来院は、情報をもとに判断した自分の考えの「確認作業」。

つまり、初回の来院で見込み客を会員にするには、0回目、つまり来院前にどんな情報を発信するのかが重要なのです。

どんな情報を発信すればいいの?

来院前の情報発信で重要なのは、どうやって信頼を得るか。

施術の内容や特徴、価格などは二の次です。比較競争・価格競争に落ちていきますから。

大事なのは、信頼を勝ち取ること。

会員になることは、未来を買うことです。

「ここから先、私は、あなたのコミュニティの一員となります」と決めてもらうことです。

そのハードルを初回で越えてもらうとき、決め手となるのは、施術効果や細かなメリットではありません。

先生を信頼できるかどうか。
「この人なら、任せられる」と思ってもらえるかどうかが重要なのです。

信頼を得るための3つの方法

初回で会員になってもらうための信頼を、どうやって手に入れるか。

治療院やサロンに向いている3つの方法を挙げました。あなたの取り入れやすいものをためしてみてください。

① 紹介・口コミ

あなたは、どちらが信頼できますか?

  • 「私のことを信じてください」という先生の声
  • 「この先生は信頼できますよ」という顧客からの声

利害関係のない第三者、
しかも自分と同じように、身体の悩みを抱えた人からの声であれば
圧倒的に信頼されます。

集客について考えたことのある先生なら
【 口コミサイト 】の利用
【 お客様の声 】の掲載
【 紹介カード 】
など
この手の施策はされていると思います。

できれば、ブログやメルマガ、SNSなどの発信でも
紹介や口コミについてできるだけ触れましょう。

わざわざ、顧客から紹介や口コミをもらう必要はありません。

日常の施術をするなかで、顧客から出た言葉を
あなたが発信すればいいのです。

なんといっても、生の声は説得力がありますから。

② 権威づけ

国家資格や団体認定の資格などが、ストレートな権威づけですね。

①の紹介・口コミと同じで、先生本人からの
「私を信頼してください」
という声よりも、第三者からの認定のほうが信頼されます。

資格以外にも、施術業界で一目置かれる人や医者、あるいは著名人からの推薦も権威づけになるでしょう。

「私には推薦をいただけるような偉い人の知り合いはいない…」

という方は、治療家やセラピスト仲間に声をかけてみましょう。

私はよく、コンサルをした先生の推薦文を書かせていただきます。
別に偉くもない私からの推薦文を、一般の人が読んでどう思うか。

推薦した先生のことを、
「この先生は、専門家仲間から推薦をもらえるような人なんだ」
と思うようになるのです。

ですから、周りの治療家やセラピストに推薦を頼んでみるのもアリです。

③ ストーリー

紹介・口コミ・権威づけなど、信頼を得るには
自分ではなく周りからの承認が効果的。

でもこんどは、自分の声を届けましょう。

もうこれも、耳にタコができるくらい聞いているかもしれませんが、
あなた自身のストーリーを伝える
という方法で信頼を得るのです。

素性の分からない人は警戒されます。ですから、

どこの馬の骨とも分からないヤツ

から

まるで小さな頃から知っている幼なじみ

になるには
物語りとしてあなたの人生を知ってもらうのがいちばん。

今は『クラウドソーシング』を使えば、

  • 漫画
  • 手書きイラスト
  • 動画
  • gif動画

など、ストーリーを伝える色々な方法が選べます。
あなたの魅力が伝わりやすい方法を探してみましょう。

電子書籍の出版で信頼を得る

私が治療家やセラピストのコンサルをする場合、基本的に信頼を得るためにおすすめするのは

電子書籍の出版

です。
昔から本の出版は、信頼を得るための方法としては王道でした。

しかし、商業出版(紙の本)を出すのは手間もお金もかかって大変…。

でも電子書籍ならカンタンに出版できます。
しかも「本を出している先生」という信頼はついてくる。

さらに、今や日本一の書店であるamazonから出版して
【amazonランキング1位】
を獲れば、権威づけもできる。

私がお手伝いをしてつくる電子書籍は、
内容にストーリーを忍ばせる工夫がしてあるので、読み終わると
見込み客である読者と、ぐっと距離が近くなります。

そして「この先生に任せたい」と思うようになるのです。

紹介されやすくなる

本を出版していると、何かと便利。

たとえば、
ただの先生から、本を出している先生になるだけで
ちょっとした話題にのぼりやすくなるのです。

「私の通っている先生って、本を出してるの。いい先生だから、こんどみてもらったら?」

という紹介がよくあります。

「〇〇さんから、本を出してるスゴイ先生がいるからって聞いて、電話しました」

なんて、ちょっと照れくさい紹介をもらうことも。

施術について詳しく伝えられない一般のひとでも、どういう風にすごいのかを
「本を出している」というフレーズだけで説明できるので、
紹介しやすいのです。

ワードで書いた文章を、そのまま出版できる電子書籍は
来院前に信頼を得て、会員になってもらいやすくするには
もってこいの情報発信です。

特にむずかしいことを学ばなくても、電子書籍の出版は誰にでもできますので、
amazonの出版ガイドを参考に、ためしてみてください。

まとめ

会員制には、継続して通ってもらうための
さまざまなメリットがあります。

継続してもらえれば、身体の悩みも改善しやすい。
波のある経営も安定する。

その会員制を取り入れるための第一歩が、信頼を得ること。

「先生に任せることを決めてきました」と、来院前から信頼を勝ち取っておけば
ベストタイミングである初回に、会員になってもらいやすくなります。

ぜひ、ご紹介した方法をためしてみてください。

明日は会員制を取り入れるときに便利な、【 仕組み 】について。
どんな仕組みにすれば継続的に通いたくなるのか、最新の方法をお伝えします。